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ロシアW杯より藍をこめて

サッカー日本代表・ロシアW杯への道程・藍は日本代表ユニフォームの色をイメージ
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Act.9 【ロシアW杯の意味】


あるサッカー雑誌に、セリエAに所属するチームの戦術アナリストが日本代表をブラジル戦、ベルギー戦の2試合のみを見て分析したレポートが載っていた。

日本代表の攻守の特徴、弱点や長所など細かな指摘が書かれており、たった2試合でよく的確に分析できたものだなと感心した。特にボロボロにやられたブラジル戦などは普通に考えると日本の良い面など出る隙間も無かった様に思うが、そのブラジル戦においても日本のストロングポイントを見出していたのは流石である。プロの分析官というのはこういうものか。

結論を簡単にまとめると、「日本は独力で局面を打開し決定的な状況を作り出す絶対的なクオリティを持ったトッププレーヤーはいないが、組織的な戦術の遂行能力の高さはそれをかなりの部分まで補うレベルに達している。ブラジルやベルギーなどW杯でベスト8に残るレベルの強国に真剣勝負で勝つには、絶対的な個のクオリティが不足しているが、ヨーロッパや南米の中堅国が相手ならば互角に戦えるだけの力は備えているかもしれない。日本代表は攻守両面共に監督が与えた明確なコンセプトに従って、非常に良くオーガナイズされた好チームだ」、という事だそうだ。

監督を含めて割と高評価なのには驚いたが、残念ながら韓国戦以来、日本ではコンセプトを与える側のハリルホジッチ監督に対する前向きな評価が少なくなっている。それどころか解任論を唱える人も結構いる。それは当然と言えば当然だろう。日韓戦という最も負けたくない試合で、采配らしい采配は皆無。それに加えて「韓国はワンランク上」と、まるであの酷い内容を容認しているかの様な試合後のコメントだ。あまりに淡泊なので、もしかしたらW杯に向けて手の内を見せまいとする策略なのだろうか、とも考えてしまう。

中学生体育連盟が発表している各競技の生徒数は、2013年頃からサッカーが野球を追い抜いそうだ。日本サッカーの底辺は広がりを見せているのかと思わせるが、しかし子供の競技人口の推移をよく見ると、サッカーは野球を抜いたとはいえサッカーも2013年頃から野球と共に下降気味になっている。もはやバスケットやテニス、卓球人口と変わらない。一説によると、樹木保護や騒音防止の理由で、ボール遊びを禁止にしている公園が多くなったことが要因らしいが、やはり少子化の影響が一番大きいようだ。ある市場調査によると、卓球やバトミントン、テニスなど個人競技が国際大会で結果を出し始めていて、特に少子化が著しい地方では個人競技に生徒が流れ、チームを維持できずに野球やサッカーなどチームスポーツが廃部となる学校が続出しているという。

昨年引退した宮里藍がLPGAで優勝した時、ゴルフの打放し練習場へ行くとやたらに女子ジュニアが目に付くようになった。やはり、世界に通用する強い競技にこそ注目が集まるというものだ。もはやサッカーは「世界的人気のスポーツ」という事のみで才能ある子どもや金が流れ込んでくる時代ではない。強くなければダラダラと衰退する。ハリルホジッチ監督はアルジェリアで見せたようなサッカーを日本代表で再現してくれるのだろうか。来年のW杯の内容次第では、日本サッカーに厳しい冬の時代が到来するかもしれない。


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