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ロシアW杯より藍をこめて

サッカー日本代表・ロシアW杯への道程・藍は日本代表ユニフォームの色をイメージ
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Act.26 【サッカーがアイデンティティの国々】

アルゼンチンはクロアチアに負けて大混乱の様だ。「あいつが悪い、こいつのせいだ」等々、世論もさることながら、チームとしてのまとまりもどこかへ消し飛んだ状態とメディアは伝えている。しかし、アルゼンチンは前半だけ見ればそれほど悪い試合をしていなかった。それが後半、GKカバジェロのミスがきっかけで、全て悪い方へと展開してしまった。まるでサンチェスの一発レッド事件の様だ。「試合の流れ」というのは恐ろしい。

アルゼンチンやブラジルをはじめとして、南米でW杯に出てくるような国は、サッカーがまるで国のアイデンティティの様になっている。そんな国では、W杯のような大きな大会で妙な負け方をすると、我々の想像を絶する非難が巻き起こる。その国の経済にも影響するかもしれない。

そういった国に比べると、高齢化社会で野球世代が人口の半分以上を占める日本は、殆どの人がW杯には関心を向けてもサッカーそのものが文化として根付いてはいないせいか、例え情けない負け方をしても社会全体が同じ方向を向いて一斉に非難するようなことはない。

ヴィッセル神戸に来たポドルスキーが「日本では、サッカー界を取り巻く環境が整っているわりには、国民からあまり興味を持たれていないように感じる。実際、メディアへの露出を見ても、野球や相撲のほうが定着してからの歴史が深いからか、そちらにエネルギーが注がれてしまっている。例えば昨年、浦和レッズがACLでチャンピオンになった時でさえ、新聞ではその偉業がさほど大きく扱われていなかった。この事実を日本サッカー界は真摯に受け止め、考えていくべきだと思う。」と語っていたが、その通りである。

ジムのサウナに行けば、定年退職した人たちが「コロンビアとか南米は個人技がすごいだろ。日本が勝てるわけねェだろう」等と通り一辺倒の意見しか交わさない。一方、野球の話になると「あそこで何故あの球を投げたのかな」と突然玄人はだしのディティールの話で盛り上がる。ごく自然に。

考えてみれば、そういう日本が南米の一国であるコロンビアに勝ったのだから、この勝利の余韻は十二分に楽しまなければ損だと思う。余談だが、数年前にナデシコがW杯で優勝したのはそう考えると物凄いことだ。文化どころか、当時はまだ女子スポーツとしてまともに認知もされていない国が勝ったのだから。

アイスランドの選手は他に仕事を持っている人が殆どだという。まるで野球のWBCにおけるオランダやイタリアチームの様だ。しかし、シンプルで強いサッカーを展開している。育成など、自国の環境の中で工夫をしている成果だという。

よくサッカー関係者が、日本サッカーが強くならない理由として「日本にはサッカー専門の競技場が少ない。ボールが蹴れる芝生の運動場が少ない」等と言っているが、これは水泳関係者が「日本には100m直線で泳げるプールが少ない」、あるいはゴルフ関係者が「日本には大きくて安い練習場が少ない」と言うのと同じことだ。酷い意見になると「日本は南米と比べるとハングリーな環境がない」などと言う人もいる。経済大国の日本を戦前に戻せとでもいうのだろうか。日本は経済的に豊かであり、サッカーだけがすべての国ではない。そういう日本固有の環境の中で強化を考えるべきであり、無いものや既にある環境を嘆いても仕方ない。

野球世代の僕としては「日本はサッカーだけの国ではないが、サッカーも強い国」になることが理想だと思っているが、そんなに甘いものではないかな。



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