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ロシアW杯より藍をこめて

サッカー日本代表・ロシアW杯への道程・藍は日本代表ユニフォームの色をイメージ
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Act.22  【スイス戦は「歴史は繰り返す」の前哨戦なのだろうか】

田嶋会長は「西野監督のやりたいサッカーが見えてきた」と言っていた。確かにそうかもしれないが、それは4年前と同じに見えた。ブラジル大会で世界に粉砕されたサッカーの復活である。まあ「日本らしいサッカー」と言えば日本らしいが。

攻撃に関しては、相手のペナルティエリア付近までボールは運べるものの、そこに来ると急にスピードが落ちる。せっかく勢いよく前線まで来たのに何故か仕掛けない。ボールを後ろに戻す。あるいは無理なパスや精度の低いクロスでボールロストを繰り返し、カウンターの餌食となる。結局、皮肉なことに相手ゴールに近づけば近づくほど得点の匂いから遠ざかる感じを受けてしまう。これらは「形は出来ているが、あとは決定力」というものとは異なる質の問題だと思う。

守備に関しての弱点はボランチとGK。GKは以前から指摘されていたことだ。ボランチの場合、世界を相手にしたときに求められる重要な要素は守備力だと思う。日本の様な弱小国の場合、守備力が高い闘将というべきボランチが必要だ。日本代表の特性を考えると、岡田ジャパンの時の様なアンカーを置く守備的なやり方しかないのかもしれない。

「後ろで守るサッカー(守備的サッカー)は非効率的。ほぼ世界的にそういう認識で一致している。弱者は後ろで守りたがるが、後ろで守っていたら逆に危ないのだ。」という意見もあるが、世界に出ると日本の場合は「だって、前から行こうと思っても、あいつら身体が強くて上手いから押し込まれちゃうんだもん」という事になる。

スイス戦の前にBSで1970年メキシコ大会の準決勝「イタリア対西ドイツ」を放映していた。試合場が高地でシーソーゲームだった為、「アステカの死闘」と呼ばれているらしい。この頃のサッカーはマンツーマンが基本であった様だ。攻撃の時はセンターバックがシュートを打つ場面も頻繁にあり、どちらかというと個の自由に任せていた部分が多かった。要するに個の力が発揮されるサッカーだ。

前半だけ見ると、日本対スイス戦の方が攻守にわたって格段にスピードがあったように思う。ところが、終盤、西ドイツが1点を追う展開になってから突然攻撃にスピードが増し、試合が激しくなった。結局後半44分にドイツが同点とし、延長戦になるのだが、驚くべきはその走力、体力だ。延長戦を合わせると実に120分もの試合になったが、イタリア選手も西ドイツ選手も最初から最後まで走りまくっていた。アステカという高地でしかも5試合目である。試合が終わった後も10キロは走れるのではないかと思ってしまう程の体力だ。

「この時代、ドリブルができない選手はおそらくレギュラーに選ばれなかったのだろう」と解説者が語っていたが、まさに「個人技」対「個人技」、「力」対「力」、「体力」対「体力」、「精神力」対「精神力」等々、互いに「個の力」で押し切ろうとするガチンコサッカーだった。しかしこれはこれで見ていて面白い。というか、なんだかサッカーの原点を見たような気がした。現代サッカーが戦術的であるにせよ、こういうものが彼ら、つまり欧州や南米のサッカー選手達の土台に埋め込まれているのだろう。まさに「技は力の中にあり(空手家・大山倍達:談)」だ。結局、日本が攻め切れないのも、そういったものが少なからず関係していると思う。

ところで、世界の名将でフィジカルが弱いチームを率い、W杯で素晴らしい成績を残した監督はいるのだろうか。世界でもサッカーでフィジカルが弱そうなのは東アジアの日本と東南アジア諸国に限られるから、いるわけないか。スイスの監督(サラエボ出身のクロアチア人)は「彼がここにいないことが残念でならない。去年の12月、モスクワで会ったときに今回の試合について話をした。彼は非常に優秀な監督だ。今後の活躍を期待したい」と語っていたそうだ。「彼」というのはハリルホジッチの事だ。このマッチメイクはハリルのコネによるものなのだろうか。とにかく残念なのはこちらも一緒。どうせ負けるのなら、1%でも2%でも今までの日本のしがらみに拘らない、新しい形の代表をW杯で見たかった。なにも優勝を求めているわけではないし、まだまだ先は長いことは分かっている。もしかしたらW杯ベスト4など永遠に来ないのかもしれない。妙なポジティブ思考はバカっぽく聞こえるだけである。であるなら、その長い時間の中で変わったやり方での代表もあって良いはずだ。

まあとにかく、今はスイス戦が本番に向かっての、まさかのフェイク試合であることを祈るばかりである。



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