ロシアW杯より藍をこめて

サッカー日本代表・ロシアW杯への道程・藍は日本代表ユニフォームの色をイメージ
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Act.11 【イライラが募る日本サッカー協会会長の記者会見】

「マリ戦、ウクライナ戦の後の期間において、選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきたということ。そして、今までの様々なことを総合的に評価してこの結論に達しました。」と田嶋幸三・日本サッカー協会会長は記者会見で述べていた。

選手からハリルホジッチ監督に対して不満が出たという事か。しかし、そんなことはよくある話だ。トルシエ監督の時だってそうだったし、ジーコ監督の時だってそうだった。プロフェッショナルの集団ともあろう者が今更何を言っているのだろうと思ってしまう。そもそも代表監督として4年間の任期をまっとうさせようとするのが日本サッカー協会の体質だ。それは今までの歴史を見れば良くわかる。勿論、古くは加茂さん、ファルカン氏など更迭された監督はいたが、勝てなかったという明確な理由があり、何よりW杯まで時間的余裕があった。事あるごとに年中代表監督の首を切ってきた体質のサッカー協会の話なら分かるが、そうではない、これは必要だろうと思われる時でさえなかなか首を切らない体質を持つ日本サッカー協会が「大会まであと2か月」というこの時期に、選手とのコミュニケーションが「多少薄れてきた」などという理由で監督をクビにするだろうか。

「1%でも2%でもワールドカップで勝つ可能性を追い求めていきたい。そのためにこの結論に達しました。」という事だが、西野氏が監督をやると何故勝つ確率が上がるのかが良く分からない。西野氏は監督としての実績もあるし資質もあると思うが、何しろ2か月しかない。何より彼は実践から離れている。どんなスポーツでも、そばで見ているのと当事者になって実践するのとでは全く違うだろう。それはスポーツに限らず一般の仕事でも言える事だ。彼の良さを出すには時間がなさすぎる。勿論、奇跡的に勝ち抜けるかもしれないが、それはハリルホジッチのままでも言えることだ。

まあそんなことは百も承知だろうが、その様なリスクを背負ってでも監督を替えるという事は、「絶対にそうしなければならない、何がしかの『公にはできない大きな理由』があった」と考えざるを得ない。

記者会見での質問で、誰かが「ハリルホジッチの持っている一番良い部分を出す前に首を切った」という様なことを言っていたが、まさしくその通りだと思う。彼はアルジェリア代表監督の時、対戦相手を念入りに研究し個別に戦い方を変えるやり方を前回W杯で披露し、グループリーグを突破して優勝国のドイツ相手に五分の戦いをした。いろいろな選手を試すことで適性を判断し、戦術のアイディアを増やし、相手に合わせてそれらを組み合わせていくのが得意なはずだ。それは期待でもあるのだが、そういうものを見られる楽しみをあっという間に奪われた大きな喪失感を感じる。

「日本らしさ」というキーワード。それがあれば何でも許せてしまいそうな悪魔の魅力を持ったキーワードが記者会見でも出ていたが、そもそもボールを繋ぐという日本らしさは、まだまだ世界に通用しなかったという事が前回W杯で証明されたのではなかったのか。

W杯は短期決戦なので情報戦ともいわれている。監督を解任するという事は、ハリルが連れてきたスタッフやコーチ陣も解任するという事だ。分析好きの彼らは皆欧州へ帰ってしまう。いくら書類上の制約があるとはいえ、欧州は遠い。その上彼らは今回の事を決して快くは思っていないだろう。この間際にそんな彼らを解任して、果たして日本代表の情報は守れると言い切れるのだろうか。予想されるハリルホジッチの反論も、あと2ヵ月に迫った大事な時期に余計な憶測を生むだろう。

僕はハリルホジッチの支持者ではないのだが、聞いていてあらゆる事がしっくりこない、イライラが募る記者会見であった。



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