FC2ブログ

ロシアW杯より藍をこめて

サッカー日本代表・ロシアW杯への道程・藍は日本代表ユニフォームの色をイメージ
0

Act.14 【「日本らしさ」を体現したなでしこジャパン】


AFC女子アジアカップ決勝戦・日本対オーストラリア。試合内容は、2011年のW杯で優勝した時の決勝戦、対アメリカを彷彿させた。ワイドに展開し、強いフィジカルとスピード感あふれる攻撃を展開するもなかなか点が取れないアメリカに対し、少ないチャンスをものにした日本。今回のオーストラリア戦もまさにそんな展開だった。

それにしても、相手チームにとって「なでしこジャパン」というのは本当に嫌なチームではないだろうか。とにかく運動量が豊富で、しかも最後までそのペースが落ちない。フィジカルが強い相手に対して足元で負けることは多いが、ボールを失っても決して諦めず最後まで追っていく。前線の選手もよく守備をするし、プレッシャーをかける。あまり多くないチャンスをギリギリのプレーでシュートまで持ち込む。前線には攻守に走り回り、抜群のテクニックを持つドリブラーの岩渕が、そして後半疲れが溜まった頃に入って来る決定力抜群の横山がいる。両者とも相手にとっては怖い存在だ。特に岩渕の運動量、献身的ともいえる攻守での活躍は素晴らしい、の一言だった。

準決勝、決勝でのなでしこジャパンの戦い方を見ていると、彼女達こそ「日本らしいサッカー」を体現しつつある様に思う。

男子の場合は、想像を絶する程に世界との差は大きいので、「日本らしいボールポゼション」などと言っても世界の強豪相手では常時というわけにはいかない。それができたとしても何らかの理由で持たされているだけだ。自身のスローイングを自分達のボールにキープするのさえ難しいのだから。その様な状況下で結果を出そうと思ったら、とにかくフィールドプレーヤー全員が最後まで攻守にわたって走り切る体力が必要だ。それに加えて相手を徹底的に研究し、その為だけの選手を選び戦術を練る。勿論、グループリーグの試合のみを考えるしかない。

あ、これって先日解任された監督が考えていたことかな。コロンビアやマリは中心選手が決まっているから、もしかしたらという期待はあったのだが、結果が見られなくて返す返すも残念に思う。

とにかく誰が監督になろうが、協会のマネージメントが悪手だとすべての歯車が狂ってくる。西野監督がどのような形で試合に臨むのか興味があるところだが、今回のロシアW杯では前大会以上に日本の立ち位置がわかる大会となる気がする。



にほんブログ村


にほんブログ村

スポンサーサイト
-

Act.13 【この時期に再び「日本らしさ」の復活か】


たまたま、前回W杯のグループH、「アルジェリア対韓国」の録画がまだ見ていない状態で残っていたので、さらっと見ようと思ったが、序盤からアルジェリアの猛攻が面白くてつい見入ってしまった。

グループHに入った国は、ベルギー、ロシア、アルジェリア、韓国だ。この試合はグループステージの2試合目。アルジェリアは初戦でベルギーに逆転負をしてしまい、グループ最下位。韓国は初戦でロシアと引き分け、グループ2位の状態での試合だ。直前の試合でロシアがベルギーに負けたので、双方ともこの試合に勝つとグループステージ突破の可能性がある。アルジェリアの監督はつい先日、日本代表監督を解任されたハリルホジッチだ。

アルジェリアは初戦から5人もメンバーを変えてきた。韓国はスカウティングと違う事に面を食らったのか、ペースがつかめず序盤から圧倒的に押し込まれてしまい、前半で3点を失ってしまった。韓国のシュートはゼロだ。解説の岡田元日本代表監督が「アルジェリアはこの攻撃力で攻めていればベルギーにも勝ったのではないか」、と語っていたほどアルジェリアの攻めは徹底していた。

それにしても、W杯の様な大きな大会の2戦目で5人も先発を入れ替えるとは、かなりの大胆采配だ。またそれがハマったのだから、采配も見事だが、選手のレベルも高かった。韓国はいつもの韓国らしさがない、と岡田さんは盛んに言っていた。確かにいつもの粘り強さ、しつこい強さが感じられない。何か宙に浮いた様なフワフワした感じだ。コートジボワール戦の日本代表を思い起こさせる。予想外の事に圧倒され、相手のペースにはまってしまったのかもしれない。結局後半に意地を見せ、パワープレーで2点を取り返したが、終わってみれば4-2でアルジェリアが勝利した。こういう試合を見ると、メンタルがいかに重要かを痛感する。

前半ずいぶん押し込まれたのにもかかわらず、洪明甫監督が動いたのは後半しばらくたってからだ。アルジェリアは1試合目を負けているので背水の陣という感じがしたが、この試合は序盤から監督力の差が出た印象だ。結局、ベルギーとロシアという大方の予想を覆し、グループHを突破したのはベルギーとアルジェリアになった。

日本人の身体能力はアルジェリア並みとはいかないだろうが、ハリルホジッチにはロシアW杯でこの様な采配を期待した。どの選手をどういった形で使い、相手のウイークポイントをどう攻めるかが楽しみでもあった。

日本人の持つ勤勉性や器用さを生かした「日本らしさ」というのは心地よい言葉である。前回はそれがいつのまにか「自分たちのサッカーを貫けば勝てるはずだ」といった論拠のない自信みたいなものにレベルアップしていた。しかしブラジル大会で、それは世界を相手にした場合、全く通用しない現実を突きつけられた。自己満足的な「日本らしさ」では駄目なのだ。

大会後、アギーレとハリルホジッチという異なるスタイルを用いる、世界を知る指導者を代表監督に招聘した。前回の反省を踏まえ、今までとは違う形で世界と渡り合えるサッカーを試みようとしたはずだ。しかし、両者とも結果を出す前に不可解ともいえる解任となった。

そして再び「日本らしさ」というキーワードの復活である。勿論、それを否定するつもりはないし、そうあって欲しいと思う。しかし、下位の国が世界で胸を張ってそれを言える程甘くないのも現実だ。日本はW杯出場国でも下位である。出場国の中ではサッカー弱小国なのだ。そういう国が色々な角度から試行錯誤を繰り返すのは悪いことではないはずだ。今回の解任で、「知名度の高い選手とポゼションサッカー、そして混乱と敗退」がデジャブの様によみがえることにならないか憂鬱になる。

スポーツと金は切っても切れない関係だ。我々はそういうシステムで成り立っている世界でスポーツを楽しんでいる。まあ理由が何であれ、今回の交代劇はいかにも遅すぎると感じてしまう。この時期の解任は、単にハリルホジッチじゃなければ良い、という引き算にしか見えない。もっと以前に解任すべき時期はあったはずである。

それにしても、「オールジャパンで行く」は日本の全英知を傾けて、だと思ったが、スタッフを含め全員日本人という意味もある様だ。この21世紀に、何だか妙にネガティブなコメントに聞こえてしまった。




にほんブログ村


にほんブログ村

-

Act.12 【暗い船出を印象付けた日本代表の新監督】


田嶋会長の記者会見の時もそう感じたのだが、西野監督記者会見も、何かに誤って触れないよう最大限に気を使い、言葉を選び、時には喋りにくそうに、また時には遠回しに答えていた。とにかく矛盾を感じる回答が多かった。恐らく言えない事、言ってはいけない事が何かあるのだろうと推察する。しかし、それを差し引いても聞きにくかった。分かりにくいというべきか。喋りが流暢ではないし、間が悪い。田嶋会長もそうだったが、すぐに話のポイントがボケる。同じ内容を繰り返す。何より話が面白くない。

質問の内容にも問題があるのだろうが、仮にも国の代表監督なのだから、聞いている相手を引き込むような、もっと魅力的なしゃべり方が出来ないものかと思ってしまう。特に今回のような会見は、大体出る質問はあらかじめ予想できるような会見だ。

昔でいえば、川淵さんは上手かった。実に魅力的な喋り方をする人だった。岡田さんもそのサッカー解説はわかりやすく面白い。オシム氏に関しては言うに及ばず。話というのは内容が内容であっても喋り方ひとつでその受け止め方が違ってくる。

外国のサッカー監督は皆喋りが上手い。ジョゼップ・グアルディオラ など、その上スペイン語、英語、ドイツ語と3か国語でそれぞれの国の記者に流暢に答えていたのには感心したものだ。大企業でも出世する人は喋りが上手い。コミュニケーションが必要とする世界で上に立つ人間は、まず喋れなければダメだと思う。サッカーの監督も然り。ここでいう「喋れる」とは、流暢で抑揚があり、分かりやすくて説得力があることだ。

今は不安をできるだけ解消しなければならない時期だと思うが、新たな代表監督記者会見をみて、先行きの不安を感じた人は多かったのではないだろうか。

事情は察するが、なんだか悲壮感漂う暗い船出に見えてしまった。




にほんブログ村


にほんブログ村

-

Act.11 【イライラが募る日本サッカー協会会長の記者会見】

「マリ戦、ウクライナ戦の後の期間において、選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきたということ。そして、今までの様々なことを総合的に評価してこの結論に達しました。」と田嶋幸三・日本サッカー協会会長は記者会見で述べていた。

選手からハリルホジッチ監督に対して不満が出たという事か。しかし、そんなことはよくある話だ。トルシエ監督の時だってそうだったし、ジーコ監督の時だってそうだった。プロフェッショナルの集団ともあろう者が今更何を言っているのだろうと思ってしまう。そもそも代表監督として4年間の任期をまっとうさせようとするのが日本サッカー協会の体質だ。それは今までの歴史を見れば良くわかる。勿論、古くは加茂さん、ファルカン氏など更迭された監督はいたが、勝てなかったという明確な理由があり、何よりW杯まで時間的余裕があった。事あるごとに年中代表監督の首を切ってきた体質のサッカー協会の話なら分かるが、そうではない、これは必要だろうと思われる時でさえなかなか首を切らない体質を持つ日本サッカー協会が「大会まであと2か月」というこの時期に、選手とのコミュニケーションが「多少薄れてきた」などという理由で監督をクビにするだろうか。

「1%でも2%でもワールドカップで勝つ可能性を追い求めていきたい。そのためにこの結論に達しました。」という事だが、西野氏が監督をやると何故勝つ確率が上がるのかが良く分からない。西野氏は監督としての実績もあるし資質もあると思うが、何しろ2か月しかない。何より彼は実践から離れている。どんなスポーツでも、そばで見ているのと当事者になって実践するのとでは全く違うだろう。それはスポーツに限らず一般の仕事でも言える事だ。彼の良さを出すには時間がなさすぎる。勿論、奇跡的に勝ち抜けるかもしれないが、それはハリルホジッチのままでも言えることだ。

まあそんなことは百も承知だろうが、その様なリスクを背負ってでも監督を替えるという事は、「絶対にそうしなければならない、何がしかの『公にはできない大きな理由』があった」と考えざるを得ない。

記者会見での質問で、誰かが「ハリルホジッチの持っている一番良い部分を出す前に首を切った」という様なことを言っていたが、まさしくその通りだと思う。彼はアルジェリア代表監督の時、対戦相手を念入りに研究し個別に戦い方を変えるやり方を前回W杯で披露し、グループリーグを突破して優勝国のドイツ相手に五分の戦いをした。いろいろな選手を試すことで適性を判断し、戦術のアイディアを増やし、相手に合わせてそれらを組み合わせていくのが得意なはずだ。それは期待でもあるのだが、そういうものを見られる楽しみをあっという間に奪われた大きな喪失感を感じる。

「日本らしさ」というキーワード。それがあれば何でも許せてしまいそうな悪魔の魅力を持ったキーワードが記者会見でも出ていたが、そもそもボールを繋ぐという日本らしさは、まだまだ世界に通用しなかったという事が前回W杯で証明されたのではなかったのか。

W杯は短期決戦なので情報戦ともいわれている。監督を解任するという事は、ハリルが連れてきたスタッフやコーチ陣も解任するという事だ。分析好きの彼らは皆欧州へ帰ってしまう。いくら書類上の制約があるとはいえ、欧州は遠い。その上彼らは今回の事を決して快くは思っていないだろう。この間際にそんな彼らを解任して、果たして日本代表の情報は守れると言い切れるのだろうか。予想されるハリルホジッチの反論も、あと2ヵ月に迫った大事な時期に余計な憶測を生むだろう。

僕はハリルホジッチの支持者ではないのだが、聞いていてあらゆる事がしっくりこない、イライラが募る記者会見であった。



にほんブログ村


にほんブログ村



該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。